女珀館の若女将シリーズ
３００００ＨＩＴ特別編「はぐれこかとりすさん（？）ご招待の巻」
作：こうけい
（20021121 発表）
みなさま、こんにちは。「観光旅館 女珀館」若女将のこうけいでございます。
お待たせいたしました。今回は、３００００ＨＩＴのニアピン賞を踏まれました、はぐれこかとりす様を当旅館にご招待いたしました。
今回はちょっと趣向を変えまして、はぐれこかとりす様ほか、日頃女珀館がお世話になっておりますかたがたをご招待しての、いわばオフ会という試みをいたしております。
はたして、どんなことがおこりますやら…。
仲居Ａ「若女将、こうけい。オルグのみなさまがいらっしゃいました」
ふらっと「はじめまして、ご招待どうもです」
ＫＥＢＯ「けぼぉーっ！お久しぶりです」
ｍｋ８４２６「二度目まして。ええと、１６時２７分か、メモメモ」
多津美「こんにちは。オフ会でみなさんに逢えるなんて楽しみです」
招待者たちが女珀館の玄関をくぐる。
わたし「みなさま、ようこそ女珀館へいらっしゃいませ。
この時期までオフ会をお待たせしちゃいまして、申し訳ありませんね」
ｍｋ８４２６「いえいえ若女将、気にしない気にしない。ぱあっと楽しんじゃいましょうよ」
はぐれこかとりす「あっ、みんな、今日は私が主賓なんですよ」
ワンテンポおくれて、はぐれこかとりすが玄関をくぐった。
わたし「はい、左様ですわね。はぐれこかとりす様、ようこそ。これで全員ですか」
今日は、３００００ＨＩＴの前後に申告をしてくれたひとたちを、まとめて女珀館にご招待しての「こうけい。オルグ」オフ会である。
とりあえず客室でくつろぐオフ会参加者たち。
ｍｋ８４２６「ほらほら、レディースコミック誌に該当作ですよ」
ふらっと「うわっ、これはすごい入れ替わりだ！まだ売ってます？」
ｍｋ８４２６「昨日発売ですからまだ大丈夫のはずですね」
ふらっと「それじゃオフ会の帰りにでも買いましょう」
ＫＥＢＯ「作家のほうのこうけいさんがいらっしゃらないのが残念ですね」
ｍｋ８４２６「私モバイル環境ありますよ、この場からチャットに入ってみませんか？」
はぐれこかとりす「こうけいさん、４００００ＨＩＴのご招待作の執筆で忙しいそうですよ。チャットにはいないんじゃないかな」
ＫＥＢＯ「そうですね」
ふらっと「ところで多津美さんは？」
はぐれこかとりす「一応、女性ということで部屋を分けたみたいですよ」
ガラッ。
仕切りのふすまが開いて多津美が顔を出した。
多津美「すぐとなりなんですよ。うふふっ」
はぐれこかとりす「なあんだ」
ふらっと「ところで多津美さんって、いつの間に女性の体に？」
多津美「ええ…実は私、子供は主人にまかせて、２００００ＨＩＴ記念作のラストからタイムスリップしてきた多津美なんです」
窓から見える中庭には、タイムカプセルとおぼしき鉄製の物体が煙をくすぶらせているのが見えた。
ふらっと「なるほど」
（タイムカプセルについては、こちらもご参照ください）
マサヨ「お取り込み中失礼します。
みなさま、お夕食とご宴会の準備が整いました。狂児の間へどうぞ」
仲居のマサヨが客室の扉を開けた。
ｍｋ８４２６「あっ、ナカイさんだ」
はぐれこかとりす「ねえナカイさん、カトリさんのこれって知ってる？」
はぐれこかとりすの手には、スティック状のビスケットにクリーム状のチョコレートが乗ったお菓子を取り出す。
マサヨ「あっ、それ明○のフ○ンですよね？」
言わずと知れた、カトリがＣＭをやっているアレ。
はぐれこかとりす「一本いかが？ナカイさんだったら大好きでしょ？」
マサヨ「申し訳ありません、仲居はお客様から物を受け取ってはいけないもので。それに…なんだか複雑な気分です」
ふらっと「そういえばマサヨさんは○ッテですものね」
はぐれこかとりす「あっ！失礼しました」
多津美「みなさん、安心していいですよ。ナカイさんはカトリさんと結ばれてますから」
一同、多津美を驚いた目で見る。
多津美「あっ、間違えた！
…きっと結ばれますよ。自信を持って仕事してくださいね、ナカイさん」
マサヨ「はい。それではみなさま、狂児の間へご案内いたします」
大広間に場を移した一同。若女将のこうけいも加わって、オフ会はさらに盛り上がる。
わたし「さあ、次はカラオケ大会といきましょう！どなたからいきますか？」
はぐれこかとりす「はーい！歌わせて！」
わたし「どうぞ。できれば、女性ボーカルの曲を選んでいただけたらいっそう楽しめますわよ」
こうけいに言われるとおりにする、はぐれこかとりす。曲のイントロが流れる。
わたし「さあ、新機能をお楽しみあれ！」
こうけいがリモコンを操作すると、マイクを持つはぐれこかとりすの腕が、にわかに細くなった。
はぐれこかとりす「わわっ！これはっ！？」
わたし「これぞボイスチェンジならぬ、ボディチェンジ機能ですわ。歌っている間だけＴＳします」
ＴＳしたはぐれこかとりすは、戸惑いながらも女声で歌い始めた。
次は自分がＴＳしよう！一同の目の色が変わっていく。
わたし「採点機能で最高点を出されたかたは、明日のお帰りまでＴＳしていられますわよ」
ひとときのＴＳを楽しみながら、一同はカラオケに興じた。
あえて男性にＴＳして、男性ボーカルの歌を歌う多津美。
『待つわ』を女声デュエットで歌う、はぐれこかとりすとｍｋ８４２６。
そして楽しい宴もお開きに。
わたし「最高点は…多津美様の９７点ですね」
多津美「ごめんなさい。私はもう女性の体ですし、今さら男にＴＳして一夜を過ごしたくもないし。辞退させていただけませんか」
わたし「承知しました。でしたら、明日までのＴＳは２位のｍｋ…」
ｍｋ８４２６「うーん、私、８９点ですよ。ちょっと低すぎて、ほかの人に悪いです」
わたし「では、対象者なしということで、よろしいですか？」
一同、うなずく。
宴会が終われば入浴だ。
多津美は女性浴場へ、ほかの参加者は男性浴場へ。
ｍｋ８４２６「いい湯だバイ♪」
男性参加者たちは湯船に浸かる。
ＫＥＢＯ「あれ？はぐれこかとりすさん、髪の毛が伸びてませんか？」
ふらっと「そうそう、なんだか金髪に」
はぐれこかとりす「へ…なんだこりゃああ！？！？」
ザバアッ！湯船から立ち上がったはぐれこかとりすは、急速に筋肉を落としていく自分の体に目を白黒させた。
はぐれこかとりす「ひゃっ！あ゛っ！！体が勝手にぃっ！さっきのカラオケじゃあるまいし！」
大股が内股に。腕やすねの毛は消える。金色になった髪はロールしながら肩の下へ。
タオルで隠した腰の前はすっきり。そして、無防備な後ろが大きくふくれていく。
そしてなにより無防備だった胸板が、熱をもちながら急膨張！
はぐれこかとりす「ひい！いやあん！！」
思わぬ刺激に、出したこともないような声をあげるはぐれこかとりす。
ベタン！ペタン！ぺたん！
浴室の床に響く足音からも、彼から彼女への変貌がわかる。
宿泊客Ａ「なんだ！女？」
宿泊客Ｂ「おい！ここは男風呂だぞ！」
宿泊客Ｃ「ねえちゃん、後ろ向かないでもっと見せろ！」
ピシャッ！金髪ロールのグラマー美女は、逃げるように浴室から立ち去った。
ｍｋ８４２６「もしかしたら、はぐれこかとりすさんが９８点をとってたかも…」
そんなつぶやき声も、扉の閉まる音にかき消される。
はぐれこかとりす「とにかく服だ！もう着れないかもしれないけど！」
目を血走らせたグラマー美女が、脱衣場で“はぐれこかとりす”の服を探す。
はぐれこかとりす「あった！もとのままだ！」
服は変わっていないことに、なぜかほっとしてしまう。
はぐれこかとりす「だぶだぶで、胸とケツだけきついけど…なんとかなるな」
トレーナーとジーパンをなんとか着こんで、浴場を出ようとする金髪ロールの女性。
ところが、廊下に一歩出たとたんに次の変化が訪れた。
はぐれこかとりす「うへっ！」
強烈に締め付けられるウエスト。
ジーパンだった物体が、爆発するように膨れていく。
はぐれこかとりす「お、重い！動けん！」
それもそのはず、服装がロココ調のドレスに変わってしまったからだ。
“彼女”は、どう見ても西洋の童話の中のプリンセスになっていた！
はぐれこかとりす「なんか、頭の上にも乗っかってるぞ！？」
それはティアラだった。
宿泊客Ｄ「なんなの、いったい？」
宿泊客Ｅ「こんなところでコスプレか？」
はぐれこかとりす「宴会はもう終わったってのに、穴があったら入りたい…」
廊下を通る宿泊客や仲居たちに白い目で見られながら、プリンセスのはぐれこかとりすはドレスを引きずって女性浴場へとたどりついた。
はぐれこかとりす「た、多津美さん…」
多津美「いらっしゃい、はぐれこかとりすさん。女部屋のお仲間が増えてうれしいわ」
バスタオルを巻いた多津美が、笑顔ではぐれこかとりすを出迎えてくれた。
わたし「はぐれこかとりす様、明日までのＴＳおめでとうございます。
当方の集計が間違っておりました関係で、ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。
でも、ご申告はお早めにお願いしますわね。
３００００ＨＩＴのご申告のときも、こんなことがありましたわよね？」
はぐれこかとりす「ＴＳはうれしいはずなのに…なんだか恥ずかしい…」
青くなった目を伏せながら、透き通るような顔を真っ赤に染めるプリンセス。
わたし「お似合いですわよ、はぐれこかとりす様」
ふらっと「仕切りのふすまなんて開けちゃいましょうよ」
多津美「ええ、寝るところだけ確保しとけば結構ですわ」
ＫＥＢＯ「ほらほらお姫様、こっちで楽しみましょう」
ｍｋ８４２６「なるほど、ドレスが膨らんでるのは中にパニエをはいてるからか」
はぐれこかとりす「やめて、やめてよ！やめてよぉぉん！！！」
その夜、はぐれこかとりす様がどうなったかは、オフ会参加者しか知らないそうですわ。
なお、この作品はフィクションです。実在の人物とは…少しは関係あるかもしれません。
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