今野緒雪・作『マリア様がみてる　涼風さつさつ』（集英社発行）の設定をもとに、花寺学院を舞台にした祐巳と祐麒の姉弟入れ替わり物を書いてみました。
すでにアップされております『涼風さつばつ（初期版）』の改訂版です。そちらの解説文もご参照ください。

実はこの作品、わたしの同人サークル「民輝書房」が、オンラインにさきがけて紙の同人誌（オンデマンド印刷本）で発表しております。
今年８月１５日に行われた「コミックマーケット６６」で頒布したのが最初で、その後「サンシャインクリエイション」「計画」「コミックレヴォリューション」といった同人誌即売会でも頒布いたしました。

けれども、さらに多くのかたがたに読んでいただきたいので、この『増補改訂版』もオンラインで発表することとしました。

同人誌即売会で紙の本のほうをお買い上げくださったかたがた、あらためて申し上げますが、どうもありがとうございました。そのときのお代は、紙代＆オンラインに先行して読めたお代ということでお許しください。

その逆に、オンラインでこのストーリーをごらんになって「オンラインより紙の本のほうが読みやすい」「ぜひ紙でも読んでみたい」と思われたかたは、ぜひコミケなどの同人誌即売会で、「民輝書房」のスペースにいらしてください(^^)

第１部

『改訂版』は『初期版』より大幅に長くなりましたので、三分割しましてまずは第１部（作品中の第１〜２章）を発表させていただきます。
第１部は、プロローグとしての乃梨子のメールのやりとり、そして花寺学院での祐麒、アリス、小林たちの事前会議から始まります。それから『初期版』と同様に、祐巳と祐麒の入れ替わりへとつながっていきます。
ただし、祐麒の体になった祐巳の行方は『初期版』と全く異なってきます。そして祐巳の体の祐麒のほうも……。

第２部では、乃梨子や真美といったキャラクターも活躍します。どうかお楽しみに。

第２部

第２部は作品中の第３章に対応します。

冒頭で、乃梨子がタクヤ君と再会します。
ところが、タクヤ君というキャラの正体は、今野先生のオフィシャルな『マリア様がみてる』でもわざとぼかされて書かれているのでした。そのため、新聞部の真美が、どちらがタクヤでどちらが甲之進なのかで混乱をきたすというエピソードもあります。『おじいさんと一緒』（『マリア様がみてる　真夏の一ページ』所載）を参照ください。
そこでわたしは今回、このぼかしを生かすため、老紳士と青年にも身代わり地蔵で入れ替わってもらうことにしました。男どうしですけど（苦笑）

もうひとつのトピックは、アリスと祐巳の体の祐麒（雪絵ちゃん）の、楽しかった“女どうし”のデートです。
しかしその直後に、あまりに酷いものが待ち構えていたのでした。
さあ、この決着は完結編である第３部でどうぞ。

第３部

第３部は作品中の第４〜５章に対応します。

「身代わり地蔵」の元ネタは言うまでもなく『おれがあいつであいつがおれで』で、「Ｈ県Ｏ市の天満宮」のほうは映画の『転校生』ですが、「即席女溺泉」「即席熊猫溺泉」の元ネタは『らんま１／２』です。念のため。

ここまで読んでいただいたみなさん、どうもありがとうございました。

文字の背景が白くなっているのは読みやすさと大段落分けを考慮したものです。ご了承ください。