※本作品はゲーム『トゥルーラブストーリー』シリーズ（『トゥルーラブストーリー２』、『トゥルーラブストーリー３』）と『ときめきメモリアル〜Girl's Side〜』のキャラクターと設定を使用しております。
『トゥルーラブストーリー』シリーズについてはこちら、
『ときめきメモリアル〜Girl's Side〜』についてはこちらを参照ください。
眠い目をこすりつつ部屋を出たとたん、不意に足もとがやわらかくなる。
体がふわっと浮いて、次の瞬間には突き上げるような衝撃が…。
そうだった。新居の俺の部屋、２階だったんだ。
団地住まいが長かったから、家の中の階段にはまだ慣れない。
俺の名前は角田成明。
家の引越しが理由で転校して、今日から「はばたき学園高校」に通う２年生だ。
ＴＵＲＮＥＤ ＳＩＤＥ
作：こうけい
まだ痛む尻を押さえながら居間兼食事場を見回すと、建材のにおいが残るフローリングの床に、真新しいグレーのセーラーブラウスと紺のショートジャケットが広げられていた。
あれ？どうして女子の制服が置いてあるんだ？
さては、かなのやつ、まだ寝坊してるな？
しかしテーブルに目をやると、その勘が外れていたことがわかった。
「成明へ 父さんも母さんももう仕事に出ちゃったよ。
はやく食べないと、転校初日から遅刻だよ〜。 かなめ」
かなが書いたメモの端を、焦げ目のついたトーストの乗った皿が押さえていた。
じゃあ、なんで女子の制服が？
トーストにかじりつきながらもう一度床を見てみると、そこにあったのは紺のブレザーとグレーのパンツ。
はばたき学園の男子の制服だった。
俺、寝ぼけてたのか？
いや、今は考えている場合ではない。
冷蔵庫から出した牛乳でトーストを２枚とも腹の中に流し込みながら、新しい制服を羽織り、紅いネクタイを締める。
「行ってきます」
だれもいないことはわかっているんだけど、つい条件反射的に言ってしまう言葉だ。
もしかしたら、途中でかなに追いつくかもしれない。俺は自然と歩調を速めていった。
そうそう、「かな」というのは俺の姉、角田かなめのことだ。姉といっても俺とは双子で同い年だから、「お姉さん」と呼ぶことはめったにない。
俺と同じく、今日からはばたき学園高校２年生になるんだけど、転校初日からとっととひとりで出かけやがった。
てっきり、あいつのほうから「なるあきー、いっしょに登校するするー」と誘ってくるかと思ってたんだけどな。
「美空中学」時代は、よくいっしょに登校していた俺たち。それも、かなのほうから誘ってだ。
中学生にもなって双子の姉といっしょに登校なんて恥ずかしくもあったけれど、なんとなく気が落ち着くことも確かなんだよな。
高校は別々になったから通学時間の関係で登校も分かれた。でも転校でまた同じ高校になったから、久しぶりに誘ってくるんじゃないかと、俺は心のどこかで期待していた。
そうか！俺が寝坊したのが悪いのか。後でかなに謝っておくか。
そんなことを考えているうちに、周りは俺と同じ制服だらけ。かなに追いつく前に、はばたき学園の校門が見えてきた。
昨日も転校の手続きのために母親といっしょにくぐった校門だけど、正式な学園生活は今日、６月２０日から始まる。
新しい学校、新しい制服。そして新しい恋だってあるかもな。
さあ、がんばっていくぞー！
ぞくっ。
校門をくぐると同時に、俺の体に震えが走った。
体の奥底が火照り始めたような…？
そう頭が認識した瞬間、震えは鎮まった。
……まあ、気のせいだな。緊張してるんだよ、俺。
と、気をとり直す間もなく、俺は今度はデジャヴュ、既視感というやつに襲われた。
目の前を歩いているふたりの女子生徒、紺野遊季と安藤桃子じゃないのか？
紺野さんは、美空中学時代の知り合いだったソフトボール部の女子だ。
制服こそはばたき学園のだけど、カニのはさみのように横で結んだあのツインテールの髪型、そっくりだよ。
でも、彼女がこの町に引っ越したなんて話は聞いてないけどなあ…。
おまけに安藤だ。ついこの間、お別れパーティーであいさつを交わしたばかりの青葉台高校時代の友人が、なんだってここにいるんだ？
だけど、後ろに回したロングヘアーも背格好も、あいつに違いない。
何か事情があって、転校を隠していたんだろうな。転校先が俺と同じってのは驚きだけど。
ふたりの会話が聞こえてくる。
「相変わらず、たるんだ顔つきの生徒ばかりね。どうして受験生意識が足りないのかしら？」
うん、間違いない。紺野さんの声だ。
言葉遣いが中学時代以上にきつくなってるけど、彼女もいろいろあったんだろう、きっと。
「そんなことないよお。みんなだってがんばってると思うよ」
相手の声も、紛れもない安藤のだ。
こちらは青葉台時代より口調が柔らかい。転校でイメチェンを図ってるんだな。
よし、俺もイメチェンして、積極的に出てみるか。
「紺野さん、おひさしぶりっ！安藤、また会えてうれしいよ」
俺は速足で彼女たちの前にまわりこんで声をかけた。
「へ？わたしに用？」
安藤が素っ頓狂な声をあげた。
…いや、声は安藤だけど、顔は別人だ。
ロングに見えた髪も、緑色のショートになっている。
俺の見間違いか？
でも、さっきはもっと背が高く見えたはずなんだけどなあ…。
「ちょっとあなた。私たちの会話を邪魔しないでよ」
紺野さんが口をはさんでくる。
……この子も顔が違う！ショートカットにメガネじゃないか。
「こ、紺野さん、どうなってるんだい！？」
「紺野はわたしだけど？」
ますます混乱してきた。
俺はメガネの子に話しかけたのに、答えたのは緑髪の子のほうだった。
「見かけない顔ね。あなた何年何組なの？」
メガネの子が、紺野さんの声で詰問してきた。
「お、俺、今日２年Ａ組に転校してきた角田成明だけど」
「ああ、角田さんね。Ａ組に転校生が来たって聞いてたけれど、あなただったのね。
私は２年Ｂ組の有沢志穂。よろしく」
「ああ、よろしく」
やっと会話が落ち着いた。
「角田さんって勉強はするほうなの？」
「い、いやあ、まあその…」
「来年は受験なんだから、気を抜いてちゃだめじゃないの。受験生はガマンが仕事、一に勉強二に勉強！」
俺は、メガネのレンズを光らせる有沢さんに圧倒された。紺野さんとは声は似てるけど、性格は全然違う。
「志穂、それくらいにしとこうよ。角田さん、志穂って勉強勉強うるさいけど、あまり気にしなくていいよ」
緑髪の子がフォローをしてくれた。
「わたしは２年Ｄ組の紺野珠美。角田さんってわたしのこと知ってるの？」
なるほど。それでさっきの「紺野さん」に反応したのか。
「い、いや。人違いだよ。声が似てただけの。前の学校にいたんだ」
ほんと、声だけは安藤にそっくりなんだよなあ…。
「へえ。わたしと似た声の人か。いるって話、よく聞くのよねえ」
そうかなあ？こういう声って、よくあるとは思えないけど。
「とにかく角田さん、これからもよろしくね！」
「こちらこそ、よろしく」
ふうっ。
人違いか。それもふたりも。
転校早々こんな大恥かくなんて、まいったよなあ。
有沢さんと紺野珠美さんを見送った俺は、大きくため息をつきながら胸をなでおろした。
んんっ！？
手に柔らかい感触が走った。
胸が、胸がいつの間にか膨らんでる！
制服の上からも、まるで女子のような乳房が盛り上がっているのがわかる。
同時に、また体に震えと火照りが走り始めた。
どうなってるんだ！？
不安にかられた俺の横を、見覚えのある女子生徒が通り過ぎた。
今のは、幼なじみの七瀬かすみじゃないか！
あのプードル犬のようなふわっとした髪型、間違いない！
でも、青葉台高校に通っているはずなのに、どうしてここに！？
まさか、俺を追いかけて、はばたき学園に転校してきたってことか？
………あいつならやりかねない。
俺が転校することを１ヶ月前から知っていて、公園のブランコで落ち込んでいたくらいだからな。お別れパーティーでも、別れたくないと泣き出す寸前だったし。
親を説得して、転校させてもらっても不思議じゃない！
でもあいつ、住まいはどうするんだ？こっちに親戚なんかいないはずだし、下宿か？
いや、俺の家かもしれないぞ。あいつと俺とは両親ぐるみの付き合いだからなあ…。
「うちのかすみをよろしくお願いしますね」
「ええ。こちらこそよろこんでお引き受けしますわ。成明と同じ部屋でよろしければ」
「構いませんわよ。成明くんとかすみ、いい仲ですものね」
「ええ、ええ。いずれふたりはこのまま結…」
うわあああっ！まさか、俺の知らぬ間に、そんな会話があったりして！？
「かすみ、かすみだろ？どうしてはばたきに転校してきたんだ！？」
俺は妄想に追い立てられながら、目の前の女子生徒に背後から声をかけた。
「んっ？あたし、かすみじゃないよ。な・つ・み」
よく見れば、振り向いた彼女の髪型はシニヨン。かすみよりもずっとアクティブだ。
また人違いかよ…。声は確かにかすみとそっくりなんだけど。
俺が絶句していると、唐突に彼女のほうからまくし立て始めた。
「あーっっ！！転校生の角田さんじゃないの！昨日廊下ですれ違ったよね？
あたし、２年Ａ組の藤井奈津実！うちのクラスに転校してくるって先生から聞いたから、楽しみにしてたんだよ！朝から会えるなんてもうサイコー！」
俺の両手を取ってはしゃぐ藤井さん。
「角田さん、ううん、玲佳って呼んじゃうね！！
玲佳、同じクラスなんだから、わからないことがあったらなんでも聞いてよね！
食堂のおいしいメニューとか、制服の着こなし方とか、放課後の遊び場とか、イカす男子とか、人気の先生とか。あっ、氷室先生はやめたほうがいいよ！あいつはとにかく融通がきかないんだから！一見クールでかっこよさそうだけど、まどわされちゃだめだよ！」
藤井さんのマシンガントークを浴びて、俺は蜂の巣状態で放心していた。
かすみの声なのにこんなにハイテンションなんて、もうびっくりだ。
でも、ちょっとばかり彼女の言葉が気になる。
“イカす男子”？俺に同性愛の気はないぞ。
“角田さん”？さっきのふたりだけじゃなく、藤井さんまで「さん」付けだよ。はばたき学園には、男子生徒を「くん」じゃなくて「さん」付けする校風があるのか？
それに“玲佳”だって？確かに俺のことをこう呼んだよな。これまた人違いか？
「あのぉー、俺は玲佳じゃないよ。な・る・あ・き。角田成明、男子だよ」
藤井さんが息をついた一瞬の隙に、俺は言葉をはさんだ。
「成明ぃ？あたしが聞いた名前は、ツノダレイカっていう女子だけどなあ」
どうも様子が変だ。もしかしたら藤井さん、かなのこととごっちゃにしてないか？
昨日だって、かなといっしょに手続きに行ったから、ありそうな話だ。
「俺と双子の姉貴で、角田かなめって子が、いっしょにＣ組に転入したはずなんだけど、知らない？」
「かなめ？そんな名前、聞いてないな。転校生はあんたひとりだけのはずよ」
藤井さんは完全に、俺のことを玲佳という女子だと思い込んでいる。
「あっ、もうすぐ予鈴だよ。じゃあ玲佳、あたし先に教室入ってるから！」
呆然とする俺を残して、藤井さんは校舎へと駆け出していった。
どういうことなんだ！？俺が女子生徒の角田玲佳だなんて？
そう思いつつ下を向くと、奇妙に膨らんだ胸が変に現実味を帯びてくる。
この乳房はいったい…。
そう思いながら胸に触れたとたん、三たび体が震えと火照りに襲われた。
今度の火照りは長く続いて全身へと広がっていった。
それに応じて、俺の体じゅうに奇妙な変化が起こり始めた。
髪は肩の下まで伸びてゆき、腰はくびれる。
下腹には圧迫感のようなものが走り、それがお尻を膨らませていく。
そして、俺の股の間にあった存在感が、あっという間に消えていった。
まさか…これって……！？？？
ふと前を見ると、かなの後ろ姿が見える。
黒いおかっぱ頭、今度こそ見間違いなんてない！
藤井さんは角田かなめなんて転校生はいないって言ってたけど、ちゃんといるじゃないか！
「か、かなぁ〜〜っ！？」
華奢な体格になってしまった俺は、半泣き顔でかなに駆け寄っていった。
だが、しかしっ！
「なんですの！？」
彼女の返事は、かなにはあまりに不似合いな言葉遣いだった。同時に、彼女の姿も変わり始めた。
目の前のおかっぱヘアは、振り向いたとたんにぐんぐん伸びていき、おダンゴ頭のツーテールロングに変貌していったのだ。その色も鮮やかな金色に…。
「わたくし、かななどという名前ではございませんのよ！
あなた、なに様のつもりですの！？
わたくしに気安く声をかけないでいただけるかしら？」
かなは、俺をあざ笑うように横目で見ながら言った。
正真正銘、かなの声で…。
またまた人違いか！？
いや、かなは変身してしまったんだ！おそらく、かすみたちも…。
「かな……姉さん、何があったんだ…！？
俺が寝坊したから怒ってるのか？だったら、ごめんよ。このとおり、お姉さま！」
俺は精一杯の低姿勢で、かなに謝った。
「ですから、わたくしはあなたのような妹を持った覚えはありませんわ」
だめだ。かなは正気に戻らない。
俺は仕方なく、このお嬢様の会話に付き合うことにした。
「かなじゃないんだったら、君の名前教えてくれる？」
「失礼ですわね。他人に名前を尋ねるのならば、まず自分から名乗るのが礼儀ではないこと？」
俺の名前！？さっきの藤井さんが言ってたことが正しいかどうか、確かめてみないと…。
「角田、れ……れいか、で、す…」
とたんに、彼女の顔がパッと明るくなった。
「ああ、青葉台高校から転校されてきて、今日から２年Ａ組に通われる、角田玲佳さんですわよね？」
「あ、はい…」
「さすが、わが須藤グループの優秀な情報網がキャッチしたとおりですわね！」
そんなこと、先生にきけばわかると思うんだけど…。
「なんか言いました？」
彼女がギロリとにらんだ。
「いえ…」
「わたくしは２年Ｃ組の須藤瑞希。角田さん、あなたのお名前、よきライバルとして覚えておきますわ。
それと、このはばたき学園のスターはあくまでわたくしですのよ。そこらへん、よろしくお願いいたしますわ。ほーほっほっほっ！」
須藤さんはこの上ないような高笑いで俺を見くだした。
「それとですね、角田さん。大切なことをお教えしておきますわ」
立ち去ろうとした俺を須藤さんが呼び止めた。
「今日から、時代は新しくなったのですのよ。
ボーイズサイドから、ガールズサイドへ」
「ガ、ガールズサイド…？」
「そして、わたくしたちも新しい姿と新たな名前を与えられました。
紺野遊季は有沢志穂へ。
安藤桃子は紺野珠美へ。
七瀬かすみは藤井奈津実へ。
わたくし、角田かなめは須藤瑞希へ。
そしてあなた、角田成明は角田玲佳へ…。
おわかりですわね？ほっほっほっ！」
「はい……わかりました…」
須藤さんの有無を言わせぬ鋭い視線が、俺の全身を貫き通す。
「最後に角田さん、制服はちゃんと女子のを着てくださること？」
そのとき、須藤さんの顔つきが一瞬だけ変化したように思えた。
「……せっかく床の上に置いておいてあげたんだから、さっさと着る着る」
あれ？これって、かなの顔じゃ…？
次の瞬間、俺の服装はまるで粘土細工のように変化を始めた。
白いワイシャツは襟がみるみる伸びて、グレーのセーラーブラウスに。
ネクタイは緩みながら生地がやわらかくなり、スカーフとなってセーラーブラウスに巻きついた。
ブレザーは丈を短くしながら、完全に女性化した上半身にフィットするようなショートジャケットに形を変える。
そして、グレーのパンツは袴のように広がってから一本の筒に変わり、やがて丈を縮めながらプリーツを形作っていく。
スカートで涼しくなった脚には、紺色のハイソックスが浮かび上がった。
「あ、ああ、声があああぁぁぁーーーーっっ！」
同時に俺の叫び声は、まるでインバータ式電車が加速するときのように、ソプラノまで音階的に高くなっていった。
「ああああ……」
とうとう声と制服まで完全に女子になってしまった俺は、力が抜けて、通路のアスファルトの上にへたり込んだ。
今朝、床の上で見たものは、これを暗示していたのか…。
いつの間にか、須藤さんは姿を消していた。
周囲と自分のあまりの変化ぶりに動転して、俺はへたり込んだまま動けない。
と、そのとき、俺の目の前に大きな手があらわれた。
「どうした」
声のする方を見ると、ひとりの男子生徒が俺に左手を差し出していた。
無表情ながら、きりりと締まった顔つきだ。
「あっ……なんともありません」
不思議なことに、彼の顔を見たとたんに俺の動転は消えていたのだ！
俺がすっかり細くなった右手を差し出すと、彼はしっかりとした握力でそれを握り締め、俺の体を楽々と引き上げてくれた。
…俺は自分の体の軽さに驚いた。と同時に、今まで感じたこともない不可解な気持ちが芽生え始めていた。
体ではなく、心の奥底が、奇妙に火照り始めてきたのだ。
「大丈夫か」
「あ、ありがとうございます。もうすっかり大丈夫です」
無表情のままの彼の振る舞いは、とてもかっこよかった。
…ん？俺っていつから、男のかっこよさなんて気にするようになったんだろう？
「名前とクラスは」
「角田玲佳です。今日、２年Ａ組に転校してきました」
自然と“玲佳”の名前が口から出て、俺は内心びっくりした。
それにどうして丁寧語を使ってるんだ？
「角田玲佳さんか、覚えとく」
「あ、あの…お名前とクラス、よろしいでしょうか」
「２年Ｅ組、葉月珪」
「葉月、珪さんですか。転校初日に助けてもらうなんて、ほんとに運命的な出逢いですよね」
「……」
言葉少なな彼とは対照的に、不思議と饒舌になる俺。
「なんだかあたし、これからも葉月さんにお世話になるような予感がするんです。よろしくお願いします」
ウソ！？さらりと出た“あたし”言葉。
次の瞬間俺は、自分を“あたし”と呼んだほうが、会話がしっくりいくことに気づいてしまった！
新しい学校、新しい制服。
そして新しい性別に、新しい恋。
時代はひっくり返ったんだ。ガールズサイドへと。
「もうすぐ予鈴だな」
「は、はいっ！行きましょう！」
あたし、角田玲佳は小走りで校舎へと向かっていった。
速足で歩く彼の、半歩後ろを追いかけるように。
注：作者は本作品を書くにあたって、『ときめきメモリアル〜Girl's Side』をプレイしておりません。キャラクターの設定やセリフ回しなどの内容がゲーム本編と異なっているかもしれませんが、悪しからずご了承ください。
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（解説はこちら）
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