女珀館の若女将シリーズ
７００００ＨＩＴ特別編「愛に死すさんご招待の巻」
作：こうけい
（20030324 発表）
みなさま、こんにちは。「観光旅館 女珀館」若女将のこうけいでございます。
今回のご招待は、７００００ＨＩＴのニアピン賞、愛に死す様こと真也様です。
はたしてどのようなＴＳシーンが繰り広げられるのでしょう？
わたし「ようこそいらっしゃいませ、真也様」
真也「こんにちは、若女将。ご招待されちゃってわくわくですよ」
“愛に死す”こと、真也が女珀館の玄関をまたぐ。
わたし「ご要望どおり、ケモノ少女への変身アイテムを用意してございます」
真也「あっ、ウサギ耳だ！ もしかしたら、ウサ耳少女にＴＳできるのかな？」
わたし「左様でございます」
真也はこうけいの手からウサギ耳のついたカチューシャを受け取り、頭に装着する。
わたし「お似合いですわよ」
手鏡を出して、真也を映す。
真也「うーん、たしかにウサギ耳だね。でも、体も顔も服装も男というのは……」
首をかしげる真也。
わたし「ご心配なく。だんだんと変身していきますわよ」
ポンッ！ こうけいが言うがはやく、はじける音とともに真也の頭が変化した。
真也「ん？ 急に頭が重く……髪が伸びた！？」
わたし「髪だけではございませんわよ、ほら」
真也「うはっ！ かわいい！！ これが……あたし？」
真也は手鏡をのぞきながら、女顔になった自分に見とれている。
宿泊客「おおっ、これは？」
わたし「みなさん、おもしろい見せ物ですわよ。
このかた、もっと変身していきますから」
真也「なんだか恥ずかしい……」
顔だけウサギ娘になった真也は、玄関前のロビーへと連れていかれたのである。
わたし「さあ、次は胴体ですわ、ほら」
ポンッ！ 今度は真也の胴体が変化した。宿泊客らが歓声をあげる。
真也「あっ、胸が……。腰もくびれてる」
わたし「しっぽだってございますのよ」
若女将が真也の服の背中を持ち上げると、ふさふさとした丸い毛のかたまりが。
宿泊客たち「うおおっ、すごい！」
わたし「神経だって、ちゃんと通ってますのよ」
真也「あっ、あんっ！！」
しっぽをつつかれて、真也は思わず感じてしまった。
宿泊客からは大きな拍手。
真也「うははあああ……。いいですよ若女将ぃ」
真也もすっかりのってきたようだ。
わたし「まだ服装を変えておりませんでしたわね。ほら」
ポンッ！ 真也の服装が、トップレスの黒いレオタードに早がわり。
首には白い襟と黒い蝶ネクタイ。さっきの白いしっぽがレオタードの背中からのぞいている。
真也「うはっ、はっ、すべすべだあ……」
レオタードの上から体をなでまわす真也。
宿泊客からはためいきがもれる。
わたし「あとは仕上げですわ。脚も変えてしまいましょう、ほら」
ポンッ！ 真也の脚のパンツが、網タイツに瞬間変化。
タイツの下の脚は、白くほっそりとなった。
真也「ひゃっ、脚ががくがくする……」
わたし「ハイヒールにはお気をつけあそばせ」
真也は、おそるおそる歩を進める。
宿泊客「すごい……本当にうさぎ娘にＴＳか」
宿泊客のひとりが、真也の脚をなでる。
真也「あはあん！」
宿泊客たち「うおおおおっ！！！」
真也のセクシーな声に、ロビーは興奮のるつぼと化した。
わたし「おそれいります。この続きは、宴会場かバーでおねがいします」
真也は若女将に連れられて、自分の客室へと戻っていった。
真也「ふう……胸も下も、まぎれもなく女になってるな」
わたし「真也様、ＴＳしちゃってお体は大丈夫ですか？」
真也「平気平気。バニーガールになっちゃってうれしいよ。
ほかのお客さんたちにサービスしたい気分でいっぱいよぉ」
わたし「お客様にそういうことをさせてしまって、よろしいんでしょうか」
真也「いいですよぉ、若女将」
わたし「それでこそ真也様ですわ。よろしくお願いしますわね」
団体客がいっぱいの、夕食時の宴会場「一夫の間」。
真也「はぁーい、あたしもまぜてくれるかしら？」
宿泊客Ａ「あっ、さっきのバニーちゃんだ。いらっしゃーい」
宿泊客Ｂ「バニーちゃん、こっちのお酒ついでくれる？」
真也「はーい。待っててね、かっこいいお兄さん」
悩ましげに腰のしっぽをくゆらす真也。
もうすっかり、女のしぐさが身についている。
ちょっと休憩のため外に出る真也。
わたし「モテてますね、真也様」
真也「女珀館のお客は親切な殿方ばかりでうれしいわよ」
わたし「実はですね、そのウサギ娘、別形態にも変身できるのですわよ、ほら」
ボンッ！ 真也の体が、４頭身に縮んだ。
真也「これは、ロリウサギ娘？」
手鏡で確認する真也。
わたし「左様ですわ。顔もおかわいくなっておりますでしょう？」
真也「お色直し、お待たせしちゃいましたー」
宿泊客Ｃ「うわっ、こっちもかーわいい！」
宿泊客Ｄ「萌え萌えーっ！！」
真也「ほらほら、この手のひらみてみて」
宿泊客Ｅ「あっ、肉球！ ぷにぷにだあ！」
真也「あはん！ くすぐったぁいっ！ もっと触って」
わたし「モテてますわね、真也様」
こちらの姿も、宴会場で大ウケだった。
わたし「ＣＭ出演ご快諾ありがとうございます」
真也「こうなったら、もうなんでもやっちゃうよ！」
若女将のこうけいは勢いにのって、バニーになった真也を女珀館のＣＭに出演させる。
真也「女珀館なら、こんなウサギ娘に、な・れ・る・か・も（ハート）」
８頭身と４頭身、ふたつの姿で女珀館を宣伝する真也。
わたし「ありがとうございます、おかげさまでいいＣＭが撮れましたわよ」
深夜はまた８頭身のバニーガールになって、バーへ向かう真也。
宿泊客Ｅ「いいよバニーちゃん。もとが男だなんて思えない」
バーテンダー「わたしも惚れ惚れしますよ。どうです。ぜひ女珀館で働いてみては？」
真也「ありがとう。考えておくわ」
ウサギ娘になってよかった。そう実感しながら、真也は客室に戻り寝床につく。
真也「なんだか妙にうるさいな……」
翌朝、目を開けると、視界が妙に広い。そのくせ異常にまぶしい。
布団を抜け出る。すると、布団の中には白い毛がわんさか。
真也「へっ！？」
全身をなでまわす。顔のまわりにも毛がふさふさ。
真也「なんだこりゃ、鏡、鏡！？」
部屋の隅の洗面台へと本能的に跳びつき、鏡に映す。
そこに映ったのは、一匹の白うさぎ。人間の面影はかけらもない。
真也「ウ、ウサギだあ〜！？」
真也が戸惑うたびに、鏡の中で長い耳がぴくぴく動く。
廊下を駆けて、というよりはぴょんぴょん跳ねて、帳場へ急ぐ真也。
真也「若女将、どうなってるんだよお〜〜〜！？」
わたし「真也様が人語を解せますうちにお伝えしておきますわ」
真也「なんだってえ！？」
わたし「あのウサ耳をつけた者は、ウサギ娘を経て、ついには完全なウサギになってしまうのですわよ」
真也「へっ？」
わたし「あっ、業者のかたがまいりました。
真也様、いい子ウサギをたくさん産むのですわよ」
そう言うが早く、業者が女珀館の玄関をガラリと開けた。
手には、一匹の雄ウサギの入ったケージが。
真也「うはああっ！ そんなっ！ キ、キーーーッ！！」
ウサギはあまり鳴かない動物だが、緊急時にはこういう鳴き声をあげるのである。
真也だった雌ウサギは業者に胴体をつかまれ、雄ウサギと同じケージに入れられる。
業者「ほうら、おまえのお嫁さんだよ」
真也「キッ、キーッ！」
真也がいくら泣いてもわめいても、もう人語は話せない。
雄ウサギが興奮しながら、真也の背中に飛びついてくる。
業者「おっ、さっそく気に入ってくれたようだな」
わたし「ウサギになっても、モテてますね真也様。うふふっ」
真也「キーッ！！！」
必死に雄ウサギをふりほどこうとする真也。しかし、雌ウサギとしての下半身は、明らかに雄を求めている様子だった。
業者「いい雌ウサギをありがとうな、若女将」
わたし「お達者で、真也様」
ひとつがいのウサギの入ったケージを乗せて、業者の車は女珀館を去っていった。
真也「キィィーーーーーーーーッ！！！」
（了）
追伸：うさぎは伝統的には「一羽、二羽」と数えますけれど、
現代のニュース原稿などでは「一匹、二匹」に統一されているそうなので、
本作品でも「一匹、二匹」とさせていただきました。
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