女珀館の若女将シリーズ
４００００ＨＩＴ特別編「風祭玲さんご招待の巻」
作：こうけい
（20021207　発表）

みなさま、こんにちは。「観光旅館　女珀館」若女将のこうけいでございます。
お待たせいたしました。今回は、ジャスト４００００ＨＩＴを踏まれました、風祭玲様を当旅館にご招待いたしました。
はたして、風祭様にはどんなＴＳが待っているのやら…。


わたし「お待ちしておりました。風祭様、女珀館へようこそいらっしゃいませ」
風祭玲「ありがとう若女将。ＴＳのお手並み、拝見させてもらいますよ」
わたし「お荷物お持ちします。どうぞこちらに」

廊下を歩く風祭とこうけい。
コッコッコッコッ。ココッココッ。
中庭から聞きなれない音がする。
横を通りかかった風祭が見ると、中庭一面にニワトリが放し飼いになっていた。
風祭玲「うわっ！」
わたし「驚かれましたか？」
風祭玲「若女将、あのニワトリはどういうことかな？」
わたし「風祭様は、鳥料理は召し上がられますか」
風祭玲「うん、食べるけど」
わたし「では、こちらのお部屋をごらんください」
ココ、コココォーッ！
こうけいが客室の扉を開けると、仲居が一羽の雄鶏を取り押さえて、雄鶏の口になにやら押し込んでいるところだった。
わたし「ちょうどいいタイミングですわね」
風祭玲「今、薬を飲ませたわけ？」
わたし「左様ですわ。ほら、ごらんください」
コココ！ココ、コッコッコッ……。
仲居の腕の中で、雄鶏は次第に落ち着いていく。
同時に、雄鶏のトサカがあれよあれよと縮んでいった。
風祭玲「もしかして、雄鶏が雌鶏になったの？」
わたし「ええ。今の薬は、当旅館が開発しましたニワトリ用ＴＳ薬でございます」
コロンッ。楕円形の白いものが転がる。
ＴＳしたばかりの雌鶏が、客室の畳の上に卵を産み落としたのだ。
風祭玲「ひゃあ、本当にＴＳしてるよ！」
わたし「ＭＴＦ鳥というのはご存知ですか？雄鶏をうちの開発した薬でＴＳさせて雌鶏にすると、もとからの雌鶏よりも卵も肉もおいしくなるんですよ」
風祭玲「初めて聞いたよ。牡牛を去勢したり、女性ホルモン注射をしたりするとおいしくなるって聞いたことはあるけど」
わたし「ニワトリも同じですわ。おまけにＭＴＦ鳥は産卵効率もいいですし」
風祭玲「なるほど」
コロンッ。また卵を産んだＭＴＦ鳥を見て、風祭はうなずいた。
わたし「今日のお夕食は、ＭＴＦ鳥とＭＴＦ卵づくしですわよ」
風祭玲「こりゃおいしそうだな。楽しみにしてるよ、若女将」
わたし「いえいえ、それは板場のかたたちにおっしゃってくださいな。
それでは風祭様。こちらがお部屋でございます」
風祭玲「あ、どうも」
わたし「それと、こちらが風祭様のＴＳ薬ですわ」
こうけいは一粒の錠剤を風祭に手渡す。
風祭玲「ありがとう！これがなかったら招待の意味がないよね！」
わたし「左様ですわね。お食事まえにＴＳして、女性のお体でおくつろぎくださいませ」
立ち去るこうけい。

風祭玲「これでとうとう念願のＴＳだ！さあ、飲むぞ！」
気合いを入れながら錠剤を飲んだ風祭の体が、丸みを帯びていく。
背丈が縮み、腰がくびれ、胸とおしりがふくらんで…。
風祭玲「ウフフフフ…。あたしの体、女になっているのね…」
立ちながら感慨に耽る風祭。
しかし、体の変化はまだ終わらない。
背丈はさらにぐんぐん縮む。体も細くなって、着ていた服がスルリと落ちる。
全裸になった風祭の全身から、なんと白い羽毛が生えてきた！
風祭玲「あ？くぁ？くぁぁっ！？」
必死に異常を訴えようとするが、言葉が出てこない。
口からは歯が姿を消し、次第にとんがっていく先は堅くなる。
風祭玲「く、く、く、クォココココォーッ！？」
すっかり白くなった頭頂部からは、真っ赤なトサカが生えてきた。
風祭玲「ココ、コココココ、コケーッ！？」
バサバサバサッ！！！
腕を振り回そうとしても、飛べない羽がむなしく風を切るだけ。
風祭玲「コケコケーッッ？ククッ！！？」
コロンッ！！
唐突に、白い楕円球が風祭の体内から転がり出した。
それはまぎれもない、鶏卵だった。

仲居Ａ「風祭様、お茶をお持ちしました」
風祭の部屋の扉を開けた仲居は、怪訝な顔をした。
部屋の主の姿はなく、服だけが残されて、一羽の雌鶏が部屋を歩き回っているではないか。
風祭玲「コココケーッ！！」
バサバサッッ！！
必死に訴えても、仲居には通じない。
仲居Ａ「どうしてこんなところに雌鶏が？中庭に戻しておきましょう。
卵も回収しておかないと」
仲居は持ってきたかごに卵を入れ、風祭の変身した雌鶏をひょいとつかんで、廊下へと出て行った。
風祭玲「コッ！コケーッ！」
これも、ＭＴＦ鳥というのだろう。

「ココココッ！コケケーッ！！」
風祭の変身した雌鶏は、抵抗空しく中庭に放たれた。
そして、地面の砂を激しくつつきはじめる。
鳥には歯がないから、胃袋（砂肝）に砂を入れないと食物を砕けないのだ。
風祭玲（ペッペッ！砂なんて食べたくないのに！）
いくら心がそう思っても、ニワトリの本能が風祭のくちばしを砂に向けさせる。
風祭玲（うわっ！口に何か入って！？）
風祭のくちばしが、地中にいたミミズをとらえたのだ。
「クーーッ！コッコッコッ！」
嫌悪の声をあげればあげるほど、風祭は自分がニワトリだということを思い知らされる。
風祭玲（…まただ！お腹に異物が！）
そう思った次の瞬間、コロンと卵がまたひとつ。

「コココッ！！」
「コケッ！？」
風祭の目前に、別のＭＴＦ鳥が現れた。
「ココココココココココッ！！」
いきなり風祭をつつき出すＭＴＦ鳥。
「コケッ！ココココッ！」
激しくつつき返す風祭。
風祭玲（痛い！逃げたい！でも体が勝手に！）
本能に支配されるつらさは、いつまで続くのだろう。

すると突如、風祭の視界が高くなって、体の自由がきかなくなった。
板前「さあ、これで今夜の分は完了！」
風祭玲（ま、まさか…！？）

風祭が運ばれた先は、板場。
板前たちが、鳥をしめている。
「ココッ！コケーッ！コケェーッ！」
激しく抵抗の声をあげる風祭。しかし、どうすることもできない。

わたし「なんだか、どこかからわたしの名前を呼ぶ声がするような…」
こうけいが風祭の部屋に行ってみると、服だけが残っており、部屋のあちこちにニワトリの羽毛。
わたし「もしかしたら…間違えたかも！？」

わたし「風祭様ぁーっ！いらっしゃいませんか？」
ニワトリでいっぱいの中庭で叫んでみるが、反応はない。
わたし「こうなったら、手当たりしだいに！」
こうけいは、ニワトリを人間に変える薬を中庭じゅうのニワトリに飲ませた。
しかし、ニワトリたちは人間の仲居になるだけ。風祭玲にはならない。

わたし「ということは、もしかしたら！？」
板場へ向かうこうけい。
板前「若女将！どうされました？」
わたし「その鳥しめるの待って！」
板前の手に首をおさえられかけていたニワトリに薬を飲ませると、
女性化した人間の風祭玲が現れた。

女性の服を着せられて、客室に戻る風祭。
わたし「申し訳ございません！！危うく風祭様を料理してしまうところでした」
風祭玲「もういいですよ。とにかくＴＳできたんですから。
それより、ＭＴＦ鳥の料理を持ってきてくれないかな？」
わたし「…よろしいんですか？トラウマとか、怖くはありません？」
風祭玲「こんなこと気にしてたら、変身物の作家はつとまりませんよ」

部屋に夕食のお膳が運ばれてきた。
風祭玲「うん、やっぱりＭＴＦ鳥はおいしいなあ」
わたし「こちらの卵は、先ほど風祭様がお産みになったものですわよ」
風祭玲「それはそれは…。くぅーっ、自分の産んだ卵は甘くて最高だよ」
そのとき、風祭はふくらんだ胸に異常を感じた。
わたし「どうなされました？」
風祭玲「うっ…乳首が……張る…」
こうけいが風祭の上半身をはだけさせると、風祭の乳首から白い液体がにじみ出てきた。
風祭は乳首をしごいて、その液体を器にしぼり出す。

わたし「まさか、母乳が出るなんて。薬の副作用かしら？」
風祭玲「自分からしぼった母乳、コクがあっておいしいよ。女性っていいなあ」
わたし「ＭＴＦ乳もおいしいんでしょうね。今度は牛で試してみようかしら」
風祭玲「ははははは、あたしを牛にはしないでね。
牛だと、いざというとき若女将の名前を呼べないから。
ニワトリだから、コケーッ！って言えて、助けてもらえたのに」
わたし「…なるほど」
風祭の楽しいＴＳの夜は、まだまだ始まったばかり。


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