女珀館の若女将シリーズ
「キノコの巻」
作：こうけい
（20020425発表、20020511再録）

従業員「こうけいの若女将。また保健所です」
わたし「えっ？今度はいったいなんだっていうの？」
保健所「失礼します。おたくの旅館、今朝食中毒を出されたと聞きまして」
わたし「なにを人聞きの悪い。お客様はみなさんご満足げにお帰りになりましたわ」
保健所「症状は頭や下腹部の痛み、貧血などと聞きましたが」
わたし「それはみなさん承知の上でしたわ」
保健所「とにかく上がらせていただきます。…床のこの血痕はなんでしょう。宿泊客の下血では？」
わたし「失礼ですわね。お客様がたの歓喜の証ですわよ」
保健所「なにか、心当たりの食材はありませんでしょうか」
わたし「それなら…こちらのキノコでしょうか。煮付けで出したのですが」
保健所「ふーむ、これは見たこともない品種ですな。持ち帰って分析させていただきます」
わたし「…せっかくですから…お召し上がりになってみられては？」
こうけいは保健所の役人を背後から押さえつけ、口にキノコをねじこんだ！
保健所「ぶはっ、な、何をする…ウグググググ……」
わたし「ほうら、あなたも子供を産める体になりましょうよ…」
保健所「私の男性を、返してくれえ……、く、苦しい……」
役人の体格が、みるみるうちにふっくらとやわらかくなっていった。
そればかりではない。役人の下腹部はぷっくりと膨れ、服装もゆったりとしたドレスへと変わっていったのだ！
保健所「お、お腹が重い……。でも、なんなのだ！？体の奥底から湧き上がってくる、この喜びは！」
わたし「ええっ？すごい！こんな効き目はわたしも知らなかった…」
大女将「こうけいさん、このキノコは、生で食べると効果が強すぎて、子供が産める女体になるどころか妊娠までいってしまうのですわよ。くれぐれも料理してお出しするように、お気をつけのほどを…」

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