最初におわびしておきます。
１８禁である旨の警告文をお読みになられた後であっても、この作品をお読みになってご気分を害されたかたがいらっしゃるかもしれません。
いらっしゃいましたら、そのかたには申し訳ありませんでした。
それほどに、この作品は残酷度の高いストーリーなのです。

今から２年弱前に、風祭文庫さんの「獣の館」に触発されて書いて、同サイトに投稿したのがこの作品です。
しかしそのときは、完全な形では掲載されませんでした。風祭玲さんの判断により、絵梨（まほらま号）が絶命するシーンがカットされたのです。
“成人向け”と指定されており強烈な作品の並ぶ「獣の館」の基準に照らしてさえも、残酷さが生々しすぎるという理由です。
あのころのわたしは、精神的に追い詰められていたようにおもえます。そういうときって、残酷物を書きたくなるのかもしれませんね。
なお、この割愛にあたっては風祭さんからわたしに意思の確認がなされ、わたしが割愛の旨を承諾した後に作品が掲載されたことを、確認しておきます。
同サイトには、風祭さんの手によるアレンジ版『絵梨のピアス・闘牛祭奇譚』も収録されております。よろしければそちらもごらんください。

今回の再録にあたっては、カットされた絶命シーンを復活させました。
さらに、文体を昔話っぽく“ですます調”にしてみたり、ディテールをある程度修正したりしてあります。
時間がありましたら、風祭文庫さん掲載版と読み比べていただければ幸いです。

機会がありましたら、絵梨が牛になった後も友人ふたりだけは絵梨の記憶を失わなかったという展開の、別ストーリーも書いてみようと考えております。
いつになるかはわかりませんけど、どうかご期待ください。